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養育費が払われないときの回収方法|給料差押えまでの流れ

執筆:弁護士 三浦正人(神奈川県弁護士会)|公開:2026年8月28日

今月も、振込がなかった。催促のメッセージは既読のまま——。養育費の不払いは「あきらめるしかない」と思われがちですが、いまの法律には、回収のための強力な仕組みがそろっています。
【要点】調停調書・審判書・公正証書(強制執行認諾文言付き)があれば、不払いの養育費は相手の給料や預金の差押え(強制執行)で回収できます。養育費は給料の2分の1まで差し押さえられ、将来分まで効力を及ぼせる特例もあります。取り決めが口約束だけの場合は、まず調停で債務名義を作るところから始めます。

まず確認|「債務名義」はありますか?

強制執行をするには、次のいずれかの書類(債務名義)が必要です。

これらがあれば、裁判をやり直すことなく差押えに進めます。離婚協議書を自分たちで作っただけ、口約束・LINEでの合意だけという場合は、まず家庭裁判所の養育費請求調停で取り決めを債務名義化するのが第一歩です。平塚市の方は、相手方の住所地(近隣なら横浜家庭裁判所小田原支部)への申立てが一般的です。

回収の流れ

  1. 内容証明での督促:弁護士名での督促だけで支払いが再開する例は少なくありません。ここで分割合意ができれば費用も時間も最小で済みます。
  2. 差押え対象の特定:給料(勤務先)か預金(銀行・支店)を特定します。分からない場合は次の「財産調査の制度」を使います。
  3. 債権差押命令の申立て:地方裁判所に申し立てます。給料差押えの場合、勤務先(第三債務者)に差押命令が送達され、以後は勤務先から直接支払いを受けられます。
  4. 継続的な回収:養育費は毎月発生するため、給料差押えなら以後の毎月分を継続的に回収できるのが大きな利点です。

相手の勤務先・口座が分からないとき|財産調査の制度

2020年の法改正で、養育費の回収手段は大きく強化されました。

養育費ならではの差押えの特例

これから取り決める方へ|「公正証書」にしておく

協議離婚で養育費を取り決めるなら、離婚協議書を強制執行認諾文言付きの公正証書にしておくことを強くおすすめします。不払いが起きたときに、調停からやり直すのと、すぐ差押えに動けるのとでは、時間も費用もまったく違います。当事務所では公正証書案の作成からサポートしています。

養育費の不払い・強制執行のご相談・ご予約

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よくあるご質問

Q. 取り決めが口約束だけです。差押えできますか?
A. まず養育費請求調停で債務名義を作る必要があります。早めに手続を始めましょう。
Q. 相手の勤務先が分かりません。
A. 財産開示手続や第三者からの情報取得手続で、勤務先や口座を特定できる場合があります。
Q. 給料はいくらまで差し押さえられますか?
A. 養育費については手取りの2分の1まで。将来分にも効力を及ぼせる特例があります。

執筆:弁護士 三浦正人(神奈川県弁護士会/三浦総合法律事務所・JR平塚駅西口徒歩1分)
本コラムは一般的な情報のご案内です。個別の事案の見通しは、ご相談のうえでお伝えします。記載の法令・運用は2026年8月時点の情報です。