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交通事故の慰謝料|3つの基準の違いと増額の仕組み

執筆:弁護士 三浦正人(神奈川県弁護士会)|公開:2026年8月28日

保険会社から届いた示談金の提示書。この金額が妥当なのか、誰にも聞けないまま署名しそうになっていませんか。実は、交通事故の慰謝料には計算の「ものさし」が3つあり、どれで測るかで金額が大きく変わります。
【要点】交通事故の慰謝料には「自賠責基準」「任意保険基準」「裁判所基準(弁護士基準)」の3つの水準があり、同じケガでもどの基準で計算するかによって金額が大きく変わります。保険会社の提示は裁判所基準より低いことが少なくありません。示談書に署名する前に、提示額が適正かどうかを確認することが重要です。

3つの基準とは

自賠責基準自賠責保険(強制保険)から支払われる最低限の水準。入通院慰謝料は日額4,300円×対象日数で計算されます(2020年4月以降の事故)。支払額には限度額があります。
任意保険基準各保険会社が社内で定めている基準。非公開ですが、自賠責基準に近い水準で提示されることが多いのが実情です。
裁判所基準(弁護士基準)裁判になった場合に認められる水準。実務では「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(いわゆる赤い本)などが参照されます。3つの中で最も高い水準です。

被害者がご自身で交渉している段階では、保険会社は裁判所基準で提示する義務はありません。弁護士が代理人となって裁判所基準を前提に交渉し直すことで、賠償額が増額される事案が多いのはこのためです。

慰謝料以外にも見るべき項目があります

示談金の総額は、慰謝料だけでなく次の項目の積み上げで決まります。提示書面を確認するときは、それぞれが適正かを見る必要があります。

弁護士費用特約|自己負担なしで依頼できる場合が多くあります

ご自身やご家族の自動車保険・火災保険等に弁護士費用特約が付いていれば、弁護士費用は保険会社の負担となり(一般に300万円程度まで)、自己負担なしでご依頼いただけるケースが多くあります。特約を使っても保険等級は下がりません。「特約が付いているか分からない」という方は、保険証券をお持ちいただければご相談時に一緒に確認します。

示談書に署名する前に|平塚の方へ

示談は一度成立すると、原則としてやり直しがききません。保険会社から示談金の提示書面が届いたら、署名する前に一度、内訳ごとの妥当性を確認してください。国道1号・129号・134号が走る平塚とその周辺は交通事故の多いエリアです。当事務所では提示書面をお持ちいただければ、裁判所基準との差をその場でご説明します。

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よくあるご質問

Q. 保険会社の提示額に不満があります。
A. 署名する前に提示書面を持ってご相談ください。裁判所基準との差を確認できます。署名後に覆すのは非常に困難です。
Q. 弁護士費用特約を使うと保険料は上がりますか?
A. 特約の利用だけでは等級は下がらず、保険料は原則上がりません。ご家族の特約を使える場合もあります。
Q. 通院の仕方で慰謝料は変わりますか?
A. 変わります。医師の指示に従い適切な頻度で通院し、症状を毎回伝えることが大切です。

執筆:弁護士 三浦正人(神奈川県弁護士会/三浦総合法律事務所・JR平塚駅西口徒歩1分)
本コラムは一般的な情報のご案内です。個別の事案の見通しは、ご相談のうえでお伝えします。記載の法令・運用は2026年8月時点の情報です。